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進路指導について

1 進路指導についての基本的な考え

 進路指導の基本的な考え方は「自分の将来は自分のものであり、可能な限り自分で決めるもの」です。その考えのもとで、身辺自立、身体機能、認識面、学力及び社会性の向上など、基礎的な力となるものについては教育課程全般の中で養うことになります。「進路指導」の場面では、社会との関係の中で自己の障害や適性を認識し、 将来に対する方向性を見定めることとなります。
 障害児(者)の学校卒業後の進路先は厳しい状況が続いています。各施設の定員はほぼ一杯で、日数制限をして   受け入れている施設もあります。また、車椅子利用者にとってはスペースの不足や施設設備の課題もあります。障害者自立支援法、障害者総合支援法と移行して、3障害の相互利用が言われながらも、車椅子利用者の進路車椅子利用者にとってはスペースの不足や施設設備の課題もあります。障害者自立支援法、障害者総合支援法と移行して、3障害の相互利用が言われながらも、車椅子利用者の進路先は厳しい状況にあります。
 こうした状況をふまえながら、選択肢を広くもてるよう学校生活支援シート・個別指導計画等を活用しながら進路指導の視点からも指導の充実を図っていきます。加えて、キャリア教育の考えに基づき「ライフキャリア」の充実を図るべく進路先以外での時間の使い方、公共の場所、公共交通機関の利用、社会生活上のルールやマナーも併せて指導していきます。
 

2 進路指導の目標 

  1. 学校卒業後の社会生活をたくましく生きるための豊かな心、健やかな体を育成する。
    [健やかな体と心]
  2. 基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得及び習得したことを活かし、自立と社会参加を目指した指導を行う。
    [確かな学力]
  3. 自己の在り方生き方を考えて将来の進路を選択するため、社会に対する認識を深められるよう指導する。
    自ら人に関わり人間関係を豊かにしたり、主体的、自律的に行動したりできる人間性を育成する。
    [豊かな人間性]
  4. 多様な人々と互いに尊重し、協働・連携し、生涯にわたって共に成長できる力を育成する。
    また、自立と社会参加に向けて、家庭や地域、関係機関などと主体的に連携できる力を育成する。
    [協働と社会性]
 

3 目標達成のための具体的方策

 
  1. 適切な情報提供や相談活動、体験的学習などガイダンスの充実を図り、家庭と連携し、生徒自身が自己の適性や将来について主体的に考え、より良い意思決定ができるよう指導する。
  2. 実社会との関わり(進路見学、現場実習、校外での模擬試験など)や、対話的な学び(実習報告会、卒業生講話など)を通じて、自己理解を深め、将来の在り方生き方を模索し、進路を選択決定し、自己実現へとつなげるよう指導する。
  3. 一人一人に最適な進路指導を実現するため、学校の教育活動全体を通じて、組織的、計画的、継続的に指導する。さらに必要に応じて外部の専門家などと連携し専門的指導の充実を図る。
  4. 障害の重度化・重複化、多様化への対応及び能力を最大限伸長させる指導の実現のため、デジタルを活用した教育活動(TOKYOスマート・スクール・プロジェクト)を行う。
  5. 学校卒業後の生活へのスムーズな移行のために、個別の移行支援計画を活用し、関係機関と連携しながら、アフターケアを通じて進路先への定着を図る。
 

4 年間計画

 
時期 内容
4月 ガイダンス(学部・学年、保護者会)
5月 高3 各市福祉課訪問
4~5月 実習先開拓
6月 高1 進路指導説明会
6~7月 前期進路学習期間・実習報告会
9~12月 後期進路学習期間・実習報告会
10月 高3 進路面談
11月 校内実習・先輩の体験を聴く会
1~2月 高1・2 進路面談
2~3月 高3 進路先との引継ぎ
保護者対象 施設見学会
通年 進路に関する学習(学年やグループでの指導)
進路に関する講演会
進路相談
インターンシップ
卒業生のアフターケア 等々

 進路決定にあたっては、大まかには、1年次の進路見学、2・3年次の現場実習により、徐々に絞り込んでいきます。進路決定後は、引継ぎ実習、学校見学や移行支援会議により、生徒及び関係者全員ができるだけ安心して新生活を迎えられるよう取り組んでいます。
 進路先は、定員や利用日数、医療的ケア対応のほかに、利用範囲(送迎や通勤)、支援内容(日常生活の支援、活動量や身体ケア、仕事業務)、入浴の有無、施設設備(トイレ、休憩スペース)等々について、現場実習により実際の体験を通じて検討を進めていきます。
 近年では、施設職員さんの入れ替わりや施設の改修などもあり、施設の状況も変化の時期を迎えています。又、施設によっては、学校時代の取り組みによりICT機器の使用も徐々に進められています。また、相談支援や就労移行支援、障害者就労支援センター等の事業の充実により、本人の意向に合わせて、卒業後にも進路先を変更できる時代となっています。つまり、従来と比べ、今の自己に適した進路を選びやすい状況となってきています。
 利用者の高齢化、障害の多様化・重度化、慢性的な人材不足等の話題も多い中ですが、進路先はとても多様な状況です。新しい良さもあれば、変わらぬ良さもあります。高等部在学中には、自己理解を進め、自己の希望をしっかりと考え抜き、自分らしい進路を決定できるよう学校も一緒に考え、進路決定につなげてまいります。
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